惣菜を冷蔵品から常温品に 新たな販路開拓への挑戦をサポート(惣菜メーカー様) | 株式会社ダイケンフードソリューションズ(ダイケン商会) 食品のデザイン事例

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惣菜の保存性改善事例

デザイン事例の詳細はもちろん、開発のお困りごとでもOK!

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食品デザイン事例を1分で解説!

今回の提案ポイント

Client

惣菜メーカー様

主に冷蔵の惣菜を製造

Summary

ご支援前の課題

  • ・販路拡大のため常温カテゴリーの新商品開発をしたい
  • ・目標は常温でD+30
  • ・コントロール品は冷蔵でD+30。常温で流通するとD+1~2。

ダイケンの対応と成果

  • ・製造環境や商品の特性から、酢酸系ではあるが味への影響が少ない日持ち向上剤を提案
  • ・結果、常温でD+20まで実現
  • ・表示が「調味酢」のみで可能であるため小売り業界の動向を見据えたクリーンラベル化も実現
  • ・商品化はお客様の事情により検討中ですが、製品や製造環境を考慮した提案で賞味期限の延長を実現

保存性の改善について
最適な支援をご提案いたします

自社の課題がはっきりと把握できていない方もご安心ください。課題の抽出から解決まで総合的にサポートいたします。

常温カテゴリー進出で販路拡大を目指す老舗メーカー

150年以上の歴史を持つ老舗惣菜メーカー様から、代表商品の燻製惣菜についてご相談をいただきました。
従来は「冷蔵 D+30」で販売されていましたが、冷蔵コーナーは売場スペースが限られており、新商品の導入が難しい状況がありました。

さらに展示会では「お酒売場の近くで販売できれば」という声も寄せられ、常温カテゴリーへの展開が販路拡大の鍵となっていました。

冷却工程での落下菌リスクが課題に

製品特性(Brix・pH・殺菌方法・包装方法)を確認したところ、一定の制菌効果がある一方で、加工後の冷却工程においてカビや酵母といった落下菌による汚染リスクが高いことが判明しました。
これらは目に見える品質劣化を引き起こすため、クレームにつながりやすい重要なリスクでした。

設備投資を抑えた制菌アプローチを採用

大規模な設備投資による製造環境改善は現実的ではないため、制菌効果を高めるアプローチを提案しました。
酸臭などで風味に影響が出やすい従来の製剤ではなく、味への影響を抑えつつ制菌効果を発揮できる方法を採用。
これにより、食品表示上は「調味酢」と記載でき、クリーンラベル対応の商品開発が可能となりました。

制菌効果の仕組み

酢酸系の成分は食品中のpH環境に応じて「遊離酢酸」となり、微生物の細胞膜を通過して内部に侵入します。
細胞内ではpHを乱し、酵素やタンパク質の働きを阻害することで増殖を抑制します。
特にカビや酵母に有効であり、今回の事例でも冷却工程での落下菌リスクを抑える効果につながりました。

制菌効果について詳しいご説明も可能です。ご遠慮なくお問い合わせください。

冷蔵D+30 → 常温D+1〜2が、常温D+20へ

コントロール品は冷蔵であれば30日間保存可能ですが、そのまま常温で流通させるとわずか1〜2日しか保存できません。
今回の取り組みは「常温 D+30」を目標に進め、その結果、「常温 D+20」まで保存可能であることを確認しました。

保存試験では以下の結果が得られています。

CFU/g

一般生菌数 D+10 D+20
コントロール品 1×102 1×103
提案品 1×102 1×103

可食限界の目安とされる一般生菌数 1×10⁵(※1)と比較しても、D+20の時点で十分に安全域にあることが示されました。

※1 法令による規定ではなく、弁当及びそうざいの衛生規範に準拠

提案品がD+20まで可食限界の一般生菌数の目安を超えなかった提案品がD+20まで可食限界の一般生菌数の目安を超えなかった

常温化の可能性を科学的に示した取り組み

この事例は、

  • 冷蔵売場という制約を超える 常温カテゴリーへの挑戦
  • 小売のニーズに応える クリーンラベル対応
  • 保存試験データに基づく 科学的な裏付け

を同時に検証した取り組みです。
今回の成果は、常温化による販路拡大や商品価値向上の可能性を確かに示す結果となりました。

さらに詳しく知りたい方へ

製品特性や製造環境に合わせたご提案が可能です。
今回の事例のように、現実的な解決策をご一緒に検討いたします。
「賞味期限の延長」や「トレンド」に関する課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。